突然余談から始まりますが、首長にとっては、4月上旬が一番ヒマな時期なのです。
人事異動も4月1日に行われ、予算に裏付けられた各種政策も4月1日からスタートすることとなるので、組織全体としてはまだまだエンジンを温めている状態なので、首長に判断を求められることも少ないことがその原因なのでしょうね(今年は統一地方選があったので、例年になく第一週目は忙しかったのですが…)。
というわけで、昨年度に書き綴れなかった話題を…
完全に旧聞に属する話題ですが、1月末から2月初めにかけて、シンガポール、マレーシア、ベトナムを目まぐるしく駆け回ってまいりました。
そこで気付いた点を数回に分けて…
燕三条地場産業振興センターは、5年ほど前から他の市町村とともにシンガポールに共同事務所を構え、同国を中心とした販路開拓に粘り強く取り組んでまいりました。
その収穫はもちろんゼロではなかったのですが、どうしてもその効果が限定的で、かつ、価格競争にも巻き込まれ、譲れないポイントであった“低価格競争からの脱却”“価格決定権のコントロール”を確立することが儘ならなかったというのが正直なところ…
でも、5年ほど粘り強く市場を眺めてきたことによって、見えてきたものもありました。
例えば…
シンガポール華僑にとりわけ当てはまることなのですが、投資対象には(富裕層と呼ばれるに相応しい)巨額を投ずる反面、投資対象と認識されない日用品や日々の食事、生活雑貨などには極度にお金をかけない傾向が顕著に見受けられます。
例えば、上の2枚の写真。彼ら富裕層は、超高級車のランボルギーニでホーカーズ(屋台)に繰り出し、1食100円程度で食事を済ますという、日本人から見ればチグハグ過ぎて理解に苦しむような生活を普通に送っています。
でも、これは彼らの視点からすれば当たり前の光景…(以前紹介した“
crazy rich asians!!!”にも出てくる光景ですよね)
何故ならば、ランボルギーニは投資対象である一方、日々の食事は空腹を満たせばそれでいいのですから…(パーティは別です。何故ならば、パーティは(人脈づくりという)投資対象なのですから…でも、こうした財布のヒモの緩急がはっきりしているから、華僑は大金持ちになるのでしょうね…)
そして…
燕三条製品は、彼らの目線からは投資対象ではない“日用品”としてしか見られていないということに、今回の訪問で気が付かされたのです…
というよりも、私たちが図らずも、“日用品”としてしか見られないような販路開拓戦略を取ってきてしまったことに気付かされたのです…
気付いた以上は軌道修正しないとっ!
ということで、本年度から軌道修正に入りたいと思います。
キーワードは“文化”“美術”“芸術”“工芸”といったところでしょうか…
その文脈に沿った世界観に創り込んでいくべく、ハード・ソフト両面の立て直しを図っていく予定です。
例えば、こちらは軌道修正を図るに相応しい候補会場の1つである“
Japan Creative Centre”さん。
元郵便局長さんの官舎で、日本・シンガポール両政府の合意により無償貸与を受けている両国象徴の施設なのですが、雰囲気もシンガポールらしくない落ち着きを放っていて、僕らが構築したい世界観と親和性があるように思えます。
ここに、日本の文化等に一定の知見を有するシンガポール人のキュレーターがいると最強の布陣が敷かれると思うのですが、そんなことを念頭に置きながら、対シンガポール華僑戦略を練り直していきたいと思いますっ!
posted by 国定勇人 at 10:51| 新潟 ☁|
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