
こちらは度々取り上げている各種申請をいただくための市民総合窓口です。
こちらでは延べ311種類の行政サービスの事務手続きを行っています。
市民目線から見れば、1つ1つの行政サービスを受けるためにそれぞれの担当課窓口に足を運ばずに済むので、その分だけ負担の軽減に繋がるということになります。
そんなことから、現在では、数多くの市町村が総合窓口を設置し、“市民の皆さまのご負担を軽減するため、総合窓口化し、ワンストップサービスを実現した”と標榜しております。僭越ながら、私たち三条市も然りです。

でも…
ここからが問題。
表題のとおり、その設置された総合窓口って、本当に“image the future”し尽くしているの!?ということなんです。
例えば三条市。311種類の行政サービスを取り扱っているということは311種類の申請書が必要ということになります。
“image the future”し尽くせないパターンとして陥りがちなのは、この膨大な申請書の記入に係る負担軽減という観点までimageし切れず、申請受付のみを集約するだけで終わってしまうというもの。
そうなると、出生や転入、転出はもちろんのこと、死亡という悲しみに暮れているご遺族の方に、亡くなられた方の受けられていた行政サービスの種類や世帯構成によっては、十数種類もの申請書の1つ1つに記入をお願いしなければならないという悲劇が、まさに“どっち向いて仕事しているんだ!?”と言いたくなってしまいたくなる事態が生じてしまいます。

そして、私どもの知りうる限りにおいては、多くの自治体がこのパターンに陥っているのが現実のようです…(でも、これは当該自治体の職員さんが一方的に悪いっ!!!と決め付けているのではなく、“image the future”し尽くしているかどうか!?ということの一例を取り上げたかったのですので念のため…)
幸い、三条市の場合、総合窓口化の検討の際に、この点について、関係職員が“image the future”し尽くしてくれました。
“総合窓口化は何のために行うのか?”“足を運ばれた市民の方々のご負担を軽減するためじゃないのか?”“それであれば、窓口を1箇所に集約するだけで本当に満足するのだろうか?”“じゃあ、引越ししてきた方が市役所に入ってきて、窓口を探して、申請内容を理解して、申請書に記入して、順番を待って、申請書を提出して、手続が完了して、市役所を去る、この一連の動作の中で、どこにご負担の要素があるのかどうかimageしようじゃないか”“世帯構成によっては、転入手続だと一度に何枚も申請書を書かなきゃいけなくなるじゃない。何枚もの申請書に何度も自分の住所と名前を書かせるなんて、自分だったら腹が立つなぁ…”“じゃあ、1度記入していただければ、後は自分たち行政サイドで処理できるようにしちゃえばいいんじゃない!?”“でも、国の通知とかでフォーマットが決まっていたらどうするの!?”“そんなのはサービス提供側の発想だろ!?どうしても申請様式が譲れないのであれば、情報システムでクリアしちゃえばいいんだよ”
という具合で“image the future”が進み…

ありがたいことに、三条市役所には情報システムを自主開発できるだけの能力を持ったスタッフがいるものですから、情報ベンダーにお願いすれば数千万円はあっという間に請求されるであろうシステムを自分達で作り上げてしまい…
一度申請書にご記入いただければ、関係する全ての申請書に、ご記入いただいた全ての事項が記載自動的に印字されるという、その分、申請いただく市民の方々のお手を煩わせない“より目的達成に近づいた総合窓口”を実現しております。
“そんなこと当たり前じゃないかっ!!!”
そのとおりです。そうしたご指摘をいただくのは尤もなことです。でも、レベルの高低という議論はあれども、他市町村との比較という観点では、当市の職員が他市町村の職員より“image the future”してくれたからこそ実現しえたサービスであることは疑いもない事実。
もちろん、総合窓口に係る状況についても“image the future”し尽くしていない、つまり改善の余地がある点はまだまだあると思いますが、“image the future”することの大切さの“見える化”をするピッタリな事例だと思い、紹介させていただきました。