
これもまた、自分の中では、既に旧聞に属する出来事となりつつあるのですが、教育関係についての話題が先月、立て続けに生じたので、明日以降、触れていこうと思っているのですが、そのシリーズの皮切りとして、教育行政の総本山である文部科学省という組織をテーマとした寺脇研氏の著書“文部科学省〜「三流官庁」の知られざる素顔〜”の読書感想文をば…
著者である寺脇氏については、評価の分かれる人物のようでありますが、私自身、その事実関係を確認する術を持ち合わせているわけでもありませんので、極力先入観を持たずに読むように心がけました。
で、その感想なのですが…
まぁ、独特の癖はあるものの、教育行政の変遷、文部科学省の持つカラーについては、比較的分かりやすく纏められているのではないかと思います。
そういう意味では、他の省庁解説本と同じ満足度は得られます。
でも…
帯タイトルにある“日教組、PTA、ゆとり、教育再生、歪められた像を正し現場の全貌を明かす〜“ミスター文部省”の教育行政・解体新書〜”内容となっているかと問われれば、そこまで満足のいくものではなかったというのが嘘偽らざる感想です。
どころか、著者のプロフィールにあるとおり、“「ゆとり教育」のスポークスマン役を務め「ミスター文部省」とも呼ばれた”と自認するのであれば、「ゆとり教育」については、もっと自身の主張(自己弁護!?)に紙面を割いてもいいのに…と正直思いました。
私自身は、「ゆとり教育」に極めて懐疑的なので、それを“生涯学習”的視点にのみフォーカスする本書の構成は納得がいかないというか、意識的に逃げ惑っているようにしか映らないというか…いずれにしても、とてもとても残念な思いが残ったのも正直なところです。
それと…
これも極めて主観的な感想であることを初めにお断りしなければならないのですが、著者が教育の政治的中立性をどのように捉えているのか、どうあるべきであると考えているのか、という点に一貫性を見出すことができないこと、にも関わらず、首長の教育への関与等について散発的に持論を展開していることにも、強い違和感を感じざるを得ませんでした。
いずれにしても、読み手に、これだけの刺激を与えるというだけでも、一読の価値があると言ってもいいかもしれません。


