2016年01月05日

懐かしい未来

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昨日の仕事始めに当たり、年頭訓示を行いました(関連記事はこちら)。

この中で、私は“これまでの合併後の10年間は、過去から敷かれたレールの延長線上にあったような気がする。だが、この3月末には、長年の悲願であった新保裏館線が開通し、新市建設計画登載事業の目処が立ち、或いは、体育文化センターの解体、新設案件が浮上したり、140数年の歴史を刻んできた三条小学校の閉校が決定するなど、いよいよ今年は、過去と決別し、過去から約束された道のない大海原に漕ぎ出すこととなる”と現状を俯瞰した上で、“それでも、我々が大海原に船を漕ぎ出すには、羅針盤が必要だ。幸い、我々には、頼りになる羅針盤を持ち合わせている。昨年度策定した、組織全体にとっての羅針盤である三条市総合計画と、我々職員一人ひとりにとっての羅針盤である三条市役所品質だ。この羅針盤を手に、新たなまちづくりに一歩を踏み出そうではないか”と呼びかけました(つもりです…)。

実際、年頭訓示後、年頭の挨拶を交わした正副議長と懇談していたところ、“新保裏館線が開通すると、滝沢市政(昭和51年〜58年)で打ち出された五大事業が漸く一定の目処が付くことになる”との話になり、決別する“過去”の長さ(≒過去から敷かれたレールの長さ)に感嘆した次第であります。

ただ、年頭訓示にも関わらず、大海原に漕ぎ出す船の行き先を明示することを失念してしまいました…(トホホ…)

まぁ、いつも言っていることなので、職員には十分に伝わっているとは思うのですが、念のため、この場で表明したいと思います。

我々の船の行き先…

それは「“持続可能”で“自立的”なまち」です。

そして、さらに重要なことは、そんなまちの底流に流れる価値観は“(大量生産、大量消費の対抗軸としての)中小企業の持ち味の追及に徹すること”“(大都市の対抗軸としての)地方都市の持ち味の追求に徹すること”の2つで支配されるべきだということです。

私たちのまちは、人口約10万人というコンパクトなまちです。そして、一地方都市にも関わらず、金属加工産業を中心とした産業群が全国を俯瞰しても集積しているまち、しかもその圧倒的な主役は中小企業によって担われているまちです。

この持ち味(良さ)を磨きに磨いて、突き抜けたところに持っていく…

それが、私たちの船の行き先です。

かつて江戸の幕藩体制下で各地で反映した藩のように…

現代ヨーロッパで、価格競争に囚われない価値の創造に成功した産業を持つイタリアやフランス、ドイツの地方都市の幾つかのように…

それが、私たちの目指すべき港です。

藻谷浩介さんの“里山資本主義”によると、最近、スウェーデンの環境活動家が言い出したという現代の未来像“懐かしい未来”、つまり、“このうえなく硬くて強い超合金や、この世のものとは思えない先端技術を誇示するのではなく、たとえ技術の粋を駆使するにしても技術そのものは前面に出さず、むしろ近現代化以前の「人間らしい豊かさ」、「穏やかで懐かしいあの頃」を現代的に再現しようとする志向”“近現代が何かと引き換えに失ってきた価値、圧倒的に高い豊かさを提示し、取り戻すこと”、こうした概念が脚光を浴びつつあると指摘していますが、こうした価値観は、まさに先に私が提示した価値観ですし、その価値観に基づき形成されるまちこそ、我々の目的地だと考えております。

そんなことを思考を積み重ねる中出席したのが、今朝の三条中央青果卸売市場さんの初市式典。

その後社長さんから話を伺っていると、今日のテーマにまさに符合することがっ!

“里山資本主義”でも紹介されていた中小の老人保健施設や福祉施設、介護施設向けに食材提供サービスを、三条中央青果卸売市場さんが既に展開されているのだとかっ!

しかも、一昨年から取り組んでいるというのですから、驚きです…

この分野は、1つひとつの納品先のロットが小さく、しかも納品先ごとの野菜の組合せがバラバラなので、複雑なオペレーションを要求されるため、大企業が参入しにくい(できない)構造体質を持つ分野なのですね。

こうしたニッチな市場に着目して、ビジネスモデルを構築し、展開していくことこそが、我々の目指すべき方向性です。中小企業の持ち味を、意識的に思案を巡らせ、意図的に追及し、実践、展開している良き事例です。

こうした企業が市内にたくさん数え切れないくらいあるのですから、市長冥利に尽きます…

というわけで、今日から本格的な予算編成作業っ!

脳漿を搾り出す作業の再開ですっ!
posted by 国定勇人 at 13:02| 新潟 ☁| ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする