2016年01月22日

【読書感想文】里海資本論〜日本社会は「共生の原理」で動く〜

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既にお気付きかと思いますが、年明け以降、予算編成作業を中心に会議室や執務室に閉じこもる日々が続いており、ブログで書き綴るほどの話題が沸き起こることもなく、これまで蓄積してきたネタを消化するほか術がなかったのですが、それもまた既に限界を迎えつつあります…

というわけで…

昨年から溜めてきた、最後の切り札“読書感想文”シリーズを放出していきたいと思います。

第一弾は、“里山資本主義”の続編ともいうべき“里海資本論”。

社会に、とりわけ地方に住まう我々に、今後の生きるべき道を新たに示し、多くの共感をもたらした“里山資本主義”と同じ取材班による新著です。

ですので、本書の底流に流れる基本的概念は“里山資本主義”と同じです。

というわけで、“里山資本主義”を呼んで共感を覚えた方は、是非ともこちらも読まれることをお勧めしたいと思います。

その上で…

これら2冊の本は、“里山”“里海”という自然との適切な関係を構築することによって、無理のない持続可能なビジネスモデルを構築しようと提案しているところに目新しさがあると思っているのですが、これは自然との適切な関係の構築だけに当てはまるものではないのではないか…というのが私の見解です。

例えば、私たちのまちに視点を移せば、“ものづくりのまち”としての、“中小企業の集積地”としての、今後の望ましいあり方を考える上でも、これらの基本的考え方が新たな視座として取り入れられることが十分可能ではないかと感じております。

つまり、大量生産、大量消費に対抗しうる基本的概念…

大量生産、大量消費型社会の帰結としてもたらされる低価格競争に対抗しうる基本的概念…

1回(若しくは数回)に留まっていた製品を介した顧客との関係(使い切り社会)に対抗しうる基本的概念…

これらの概念を“里山”“里海”という限られた対象範囲を超えて、これらの書が提示しているように思えてなりません。

そして、我々に何よりも勇気を与えてくれるのは(従って、共感を伴うのは)、これら新たに提示された基本的考え方を取り入れることが、地方都市であればあるほど、中小企業であればあるほど、適しており、その結果、(どの分野であれ、)この価値観の土俵に持ち込めば、我々こそが比較優位に立てるということを示してくれている点。

このことは今の経済システムを直ちに否定することを意味するわけでは当然のことながらありませんが、新たな視座として付与させ、意識的に取り入れるには、これらの書が提案する新たな概念は十分な価値があると思っております。

明日、いよいよ、“コト・ミチ人材育成事業”が中川政七商店の中川さんの協力を得てスタートを切るわけですが、この政策も、元を辿れば、“ものづくりのまち”としての今後の生き方を探るにあたって、新たな視座として、これらの本の底流に流れる基本的概念を取り込もうというところに端を発したもので、それが具現化されたものであります。

ですから、今後の展開が楽しみでなりません。

どうか、ものづくり版里山資本主義の今後を見守ってくださいませっ!
posted by 国定勇人 at 13:22| 新潟 ☁| ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする