2016年01月25日

【読書感想文】島耕作の農業論

無題.png

本日ご紹介するのは、漫画家弘兼憲史さんによる“島耕作の農業論”。

まず、スゴイなぁ〜と思うのは、“島耕作の農業論”というタイトルを眺めるだけで、この本で何を書こうとしているのかがほぼ分かってしまうこと。

それだけ“島耕作”シリーズが、そして何よりも“島耕作”のイメージが国民全体に浸透しているということなのでしょう。

何せ、漫画を読まない私でも容易に想像が付くのですから…

この本は、皆さまもお気づきのとおり、基本的には“企業が農業に参入し、資本を投資して大規模な土地を確保、最新技術の他、さまざまな分野で培ってきたノウハウを投入すべき”“それが農業の近代化であり、世界的に競争力を持つ道になる”という論理で展開されているのですが、面白いのが、その最終章において、“小さくて強い農業”の先駆者である久松農園の久松達央さんと対談している点。

いみじくも、久松さんとの対談の中で、著者自身が“企業が農業に参入し、資本を投資して大規模な土地を確保、最新技術の他、さまざまな分野で培ってきたノウハウを投入すべき”“それが農業の近代化であり、世界的に競争力を持つ道になる”一方で、“日本には、大企業が太刀打ちできない技術を持った町工場がたくさんある。そうした町工場が日本の物作りの本当の強さでした。同じようなことが農業でもできるのではないか”と訴えているのですね。

で、この本を読んで思うところがあったのです…

要は選択の問題であると…

それぞれのプレイヤーが、それぞれの立ち位置からどちらかを自分で選択して、その選択を決めた以上、信念を以って貫くほかにないと…

その結果として、複数の強みを併せ持つ、タフでしなやかな社会構造、経済構造を社会全体として持つことができるのだと…

三条は、地方都市、或いは中小企業の集積地という性格上、ものづくりも、農業も、“小さくて強い”路線を強化すべきだというのが私の持論です。

ですから、私たちは、弘兼さんの持論を支持せず、久松さんを支持し、今では我々の農業政策の重要なパートナーになっております。

ものづくりにおいても然り…

私たちは、改めて触れたいと思いますが、何人もの優れたプロデューサーの中から、“小さくて強い”路線の強力な牽引役である中川政七商店の中川さんを選択し、彼に全てを託そうと思っております(そうそう。先日、中川さんやタダフサさんと話をしていたときに、自分にはつくづく才能がないなぁ…と自己嫌悪に陥っていたのですが、もし少しでも誇れるところがあるとすれば、ある路線を選択すれば、それに向かって怯まず進み、その道に長けた人を見つけた場合、一にも二にもなく、その人に全てを託し切るふてぶてしさがあるところかなぁ…と自分を慰めております…)。

皆さんは、どっちの路線を歩みますか?

若しくは、どっちの道が性に合っていますか?

この本は、そういう意味でも、読み手に様々な問い掛けをしてくれる良き本だと思います。
posted by 国定勇人 at 13:29| 新潟 ☁| ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする