スマートウェルネスシティ構想を打ち出し、その具現化に頭を悩ましていた数年前…
同構想の師とも云うべき筑波大学の久野教授に誘われてドイツの地方都市を巡ったのですが、そのときお会いしたのがドイツのバイエルン州にある人口10万人という三条と同規模のエアランゲンに居を構えているジャーナリスト高松平蔵さん(漢字が若干異なるのですが、うまく変換できず…申し訳ございません…)。
彼の話、或いは彼にご案内していただいたエアランゲン市長さん達の話に触発され、スマートウェルネスシティ構想も一気に具現化し、“三条マルシェ”や“きっかけの一歩事業”が生まれたり磨きがかかったり、運営方法などの組立て方が深化したり、“ステージえんがわ”のコンセプトが一段と際立つことに成功したり、はたまた“燕三条工場の祭典”誕生にも影響を与えたのは、ここだけの話…
そんな高松さんの新著“ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか”が出版されました。
本書は、これまでに増して多岐にわたって網羅的に解説しているのが特徴となっております(驚いたのは、“燕三条工場の祭典”がドイツの取組に匹敵するものの1つとして、我が国の取組としては唯一紹介されていたこと!素直に嬉しいです。高松さんに心から感謝申し上げます!)。
詳しくは読んでいただくほかないのですが、エアランゲン、或いはドイツの地方都市に多少の知識を蓄えることのできた私には、フェラインの存在、何故ドイツにはフェラインが存立しているのか、社会背景の異なる我が国においてフェラインの社会的機能を求めるとしたら、どの社会的主体に求めるのがスムーズなのか、にとりわけ関心が向きます。
この点を紐解くことができれば、三条市の社会的持続可能性はより強靭になり、よりしなやかになるのでしょうから…
加えて申し上げれば、文化芸術に対する社会的要請レベルとそれに伴う行政支援の度合い…
金銭的な価値ではない“豊かさ”を追求していくとき、また、新たなスポーツ・文化の複合施設を創造する今、この点にも深く関心を寄せているところでもあります。
また、勉強に行かなければならないかもしれませんね。
と、いささかマニアックすぎる書評になりましたが、本の内容自体は分かりやすく、日本の地方都市、日本の地方行政や地域社会と比較し、それを通じて、私たちの立ち位置を確認するためにも、重要な視座を与えてくれる一冊となっております。
おススメですっ!