2017年09月20日

【読書感想文】成功する里山ビジネス

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三条市議会9月定例会は多くの他市町村と同様、決算議会です。

通常の常任委員会に加え、決算審査特別委員会が設置され、各常任委員会所管ごとに分科会が設けられ、決算に特化した審議を頂いております。

私自身は慣例により委員会審議に参加することなく(決算審査特別委員会全体会には出席します)、基本的には執務室にいることが多いため、ブログに載せる話題が結果的に乏しくなり、溜め込んでいた読書感想文を一挙に放出するということになります…

という言い訳が立ったところで、またまた読書感想文です…

今回、ご紹介するのは“成功する里山ビジネス”。

全国各地で頑張っている小さな小さな事例を1つひとつ丁寧に取り上げ、そこから“里山ビジネス”を俯瞰していく…という今の地方創生を語る方法としては流行りのものを取り入れております。

その丁寧な取材の仕方はまさにジャーナリストの面目躍如といったところですし、その事例1つひとつそのものはどれも秀逸で学ぶものも数多くあるのですが、この種のジャーナリストさんが手掛ける書き物が陥りがちな傾向にこの本も陥っており、この種の活動の増殖活動が本当に地方創生の主流たりうるのか、それだけの人々が参画できるだけの十分なマーケットが存在しているのか或いは安定的なマーケットを切り開けるのか、という大事な、大事な視点が欠落しているのが残念なところ…

その視点が欠けていれば、この本を読んで著者のいうところのダウンシフトの人生を選択して飛び込んだ方々に対する裏切りに(もちろんそうならないことを願っているのですが)図らずも繋がってしまうのではないのか…ということを老婆心ながら心配してしまいます…

三条市も官製ダウンシフトというべき地域おこし協力隊の隊員も何人も迎え入れており、あからさまに指摘一辺倒という立場でもないのですが、それでも、私は地域おこし協力隊制度の受け入れを最初に判断を求められたとき、彼らが夢を描ききれずに卒業する時期を迎えたとしても、当市の産業構造と有効求人倍率の状況であれば、少なくとも彼らを路頭に迷わせることはないという確証があったからこそ、ゴーサインが出せました(今となっては私の思いは杞憂であったと断言できるほど、彼らは活発に順調に活動しています。そんな彼らの活動内容はこちらからどうぞ!)。

最近、この種の本が増えておりますが、ミクロからの積み重ねと同時に、マクロ的な視点でも分析を施し、ダウンシフトの人生を選択しようとする方々に、少なくとも必要十分な情報を盛り込んでいただきたいと思いますし、そうすれば、今以上の良質な一冊に生まれ変わるのではないかと思います(それから登場する主人公の皆さんはそれぞれ情熱と冷静さを兼ね備えた方々ばかりで、そのビジネスモデルもまた現実的なものが多いことも申し添えます)。

繰り返しになりますが、1つひとつの事例については丁寧な取材が行われており、分かりやすい事例紹介となっておりますので、少なくとも市町村の移住担当は読むべきおススメの一冊だということは誤解なきように申し添えたいと思います。
posted by 国定勇人 at 16:10| 新潟 ☀| ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする