7.13水害を忘れない。
これは真実です。
でも、これだけでは、私たちは前に進めない。
これもまた事実です。
時に自然は私たちに牙を向けますが、それと同時に、否、時間の長さで言えば、圧倒的にそれ以上の長さで、私たちに微笑み、恵みを、美しさを、安らぎを、癒しを与えてくれます。
その恩恵を前向きに受け止め、私たちは歩む宿命を背負っています。
先日、とある移住者向け雑誌のインタビューを受け、“移住希望者に対して、三条をPRできる点はどこですか?”と聞かれました。予め担当職員が用意してくれていた、ものづくりのまちとしての魅力やそれを中心とする特徴的な行政施策のメモとは裏腹に、私はこう答えました。
“平日、仕事を終え、思い立ったら、40分ほどで絶景の下での露天風呂に浸かれるのです、三条は”“同じく思い立ったら、仕事帰りに、クルマを少し走らせて、日本海に沈む夕陽を眺めることができるのです、日常生活の中で”と。
何故ならば、これが移住者である私の実感だからです。
時には水害のような脅威が私たちを襲いますが、圧倒的な時間は、都会では決して味わうことのできない贅沢な豊かな時間をこの地は与えてくれます。
その幸せをも噛み締めつつ、今日という節目の日を閉じたいと思います。
(今回の豪雨による被災地も、いつかそう思える日が来ますように…)