続いてマレーシアの話題を…
ご存知のとおり、マレーシアは、元々住んでいたマレー人、途中から移住してきた華僑とインド人という3つの民族からなる多民族国家です。
しかも、この3つの異なる民族が同居するマレーシア市場の難しいのは、マレー人はイスラム教徒で豚肉を食べないし、インド人はヒンズー教徒で牛肉を食べないし、他方で中国人(華僑)は机以外の四つ足は何でも食べると言われるほど食に貪欲という、コミュニケーションに欠かすことのできない飲食さえも共にできない宿命を抱えているため、基本的には社会生活の中で交じり合うことがないところなのですね(他方で、この3つの民族は言語も異なるため、彼らは英語を共用語として用いるため、ビジネス会話は英語を採用するなど、シンガポール並みに英語を操ることのできる国際的な順応性が著しく高いところが日本とは大きく異なるアドバンテージとなっております)。
ですから、ある意味、シンガポール以上に市場開拓が難しいかもしれません…
しかも、今回は日本・マレーシア間のEPA(経済連携協定)発効後初めてとなる金属加工製品分野の輸出案件ということで、私たちも初めてのマレーシア挑戦となったわけですが、消費性向を現地でもっともっと学ばなければならないと気付かされる場面に短期間ながらも何度も直面しました。
例えば…
何故か、高額の盆栽用剪定鋏が飛ぶように売れるのです…
しかも、何故か女性に…
失礼ながら、どう考えても、盆栽を趣味とするような雰囲気には感じられなかったので、もう少し深くヒアリングしてみると…
なんと彼女たちは、鶏肉の骨を断ち切るハサミとして購入していたのですっ!
“あの太い幹をスパッと断ち切るくらいだから、鶏肉の骨も断ち切れるはずだ”だなんて、日本人は想像しますか?
日本と異なり、マレーシアのマーケットでは、半羽か一羽丸ごとでしか日々の食材である鶏肉が出回っていないので、マレーシアの方々は自然とそのように連想してしまうようなのです…
これは、シンガポール以上に、日本を深く理解し、更には3つの異なる民族の性向を熟知したマレーシア人にキュレーションを任せるほどの度量がないと販路開拓は厳しいかもしれません…
しかしっ!
幸いなことに、JETROさんの獅子奮迅の働きにより、最適なキュレーター(しかもマレーシア人)と既に繋がることに成功しましたっ!
今後、彼と一緒になりながら、マレーシア市場に燕三条製品を高級ブランドとして浸透させていきたいと思います。
それにしても…
やっぱり、百聞は一見に如かず…
現地に行かないと分からないことだらけですねっ!(実演販売の効果が絶大なことをオークスさん、山崎金属工業さんが証明してくださいましたっ!)
JETROさん、とりわけJETROクアラルンプール事務所さん、今後とも宜しくお願い申し上げますっ!