2020年03月27日

それでも“正しく”恐れる@

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何度も申し上げているところですが、私たち保健所を有していない市町村は、我が国法制度の下では、新型コロナウィルス感染症対策に対し、いかなる直接的な権限を有しているわけではありません。

でも、他方で、日頃から各般にわたる行政サービスを市民の皆さま、企業の皆さまなどに提供している行政機関である、少なくとも市民の皆さま方からは(本件に関する権限は有さないものの)そう思われていることを強く自覚し、同感染症に対する様々な情報から正しい情報を抽出し、それを冷静に咀嚼、吟味し、適切な判断を行い、実行することを通じて、社会の模範的存在であらねばならないと思っております。

まして、私どもの行動が、冷静で合理的判断に裏付けされた“本来あるべきもの”を逸脱し、社会不安を助長する側に回ってしまっては断じてならないと、油断すれば“本来あるべきもの”ではない方向に押し流されかねない力(同調圧力など)に屈してはならないと、強く自覚しながら、陣頭指揮に立っているつもりです。

そうした中、昨日決定させていただいた、全職員に対する東京都との職務上の往来の禁止等の措置でありますが、これももちろん、私どもとしては、東京都知事から発せられた情報内容を冷静に咀嚼、吟味し、“状況が悪化した東京によって、三条市が置かれている状況が影響を受けないため(副次的効果として「東京の悪化要因に少しでも加担する側に回らないため」)”、冷静で合理的に判断したものであり、昨日の私どもの判断を機に、私たち三条市の置かれている環境が異なる段階に進んだということを意味するものではないことを強く申し上げておきたいと思います。

ここに改めてでありますが…

私たち三条市の状況でありますが、現在、市内に在住、在勤する人に感染の疑いのある人はいません

この現況を、最新の政府レベルの専門家会議見解に当てはめると、専門家会議が設定した感染状況地域3区分のうち、“感染状況が確認されていない地域”に該当すると捉えております。これは、当たり前のことでありますが、東京の段階が“感染爆発の重大局面”に至っているかどうかに影響を受けることはありません。

(ちなみに、新潟県内において要請患者が発している地域での保健所を有する新潟県知事も新潟市長も、当該地域の区分をそれぞれ“感染状況が収束に向かい始めている地域並びに一定程度に収まってきている地域”と整理しており、“感染状況が拡大傾向にある地域”とは捉えておりませんので、念のため…)

その上で、同専門家会議は、これら“感染状況が確認されていない地域”に対する基本的考え方を“学校における様々な活動や、屋外でのスポーツやスポーツ観戦、文化・芸術施設の利用などを、適切にそれらのリスクを判断した上で、感染拡大のリスクの低い活動から実施してください。ただし、急激な感染拡大への備えと、「3つの条件が同時に重なる場」を徹底的に回避する対策は不可欠です”と定めております。

つまり、専門家会議は、私たちのような地域には、新型コロナウィルス感染症予防には十分に配慮しつつも、社会活動の維持をも同時に求めているのです(もう少し付言すれば、同専門家会議は、感染爆発(オーバーシュート)が生じた場合であっても、“社会・経済機能への影響を最小限としながら、感染拡大防止とクラスター連鎖防止の効果を最大限にしていく観点から、地域の感染状況別にバランスをとって必要な対応を行っていく必要があります”とした上で、上述の基本的考え方を示しております)。

くどくど申し上げましたが、とどのつまり、私たちは今、“感染爆発の重大局面”を迎えている東京や“感染状況が拡大傾向にある地域”と異なり、正しく恐れながらも(≒専門家会議が求める上記対策を講じつつ)、市民生活や社会・経済活動を極力維持することを専門家会議(及び感染症対策に権限を有する政府)から求められているというのが私たちが把握認識している状況にあるのです。

ということを申し上げた上で…

昨日、三条商工会議所が発した飲食業界支援を求めるメッセージは、現在三条が置かれた状況を鑑みれば、大変時宜に適った適切なものであると考えております(関連記事はこちら)。

過度な自粛は、萎縮をもたらし、“正しく恐れること”と“市民生活や社会・経済活動を極力維持すること”とのバランスを不安定なものにしてしまいます。

何度も申し上げますが、東京が置かれている状況と三条が置かれている状況は異なります。

しかも、そのことは、感染症対策に何ら権限を持たない私たちが手前勝手に申し上げているのではなく、同権限を有する政府のシンクタンクである専門家会議が申し上げているのです。

“正しく恐れ”つつも、極力、市民生活や社会・経済活動を極力維持することに努め、この難局を乗り越えてまいりましょう(もちろん、状況に変化が生じれば、私たちもまた、その段階に応じたステップに進んでまいりますし、それらの工程についてはこちらに記載しておりますので、ご一読いただければ幸いです)。

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写真は、三条市内のラーメンの名店の1つ“笹舟”さん。

今日のお昼、美味しくいただいてまいりました。

ちなみに…

この小上がりの造りは写真のとおり、各テーブルの間隔が相当程度空いており、密集性は避けられておりますし、全く見ず知らずの客と相席も行われておらず、密接性もありませんので、“3つの条件が同時に重なる場”には該当しませんねっ!
posted by 国定勇人 at 14:47| 新潟 ☔| ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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