本日、友好都市を締結している重慶市巴南区から寄贈された医療物資が三条市に到着しました。
昨年6月に友好都市を締結したばかりの重慶市巴南区。
これだけを聞けば、交流の期間はかなり短く感じられますが、実際のところ、友好都市締結までの2年ほどの間で、お互いが往来して関係性を深めること数回を重ね、友好都市を締結したときには既に旧知の、しかも属人的にも近しい関係性を築いていた間柄…(私自身、先方の人民政府幹部の皆さまとSNSを通じて直接やり取りするほどの間柄となっております)
そんな関係の中、1月下旬、巴南区人民政府の皆さんとSNSを通じてやり取りをしていたところ、医療物資が逼迫しているとの告白を受け、160万枚備蓄していたマスクのうち10万枚を送付したのが2月上旬のことでした。
あれから僅か2ヶ月後…
今度は私たちが感染拡大期に入り、とりわけ医療従事者のみが使う特別な医療物資の確保に危機意識を高めていたまさにそのタイミングで、やはりSNSを通じて、先方より、私たちの状況を案ずる打診があり、医療物資を送る用意がある旨を伝えて来ていただいたのでありました。
本当にありがたい限りであります。
私たちが今回お願いをして送付いただいたのは、@アイソレーションガウン(医療用防護服)1,000枚、A医療用フェイスシールド1,000個、B医療用キャップ40,000枚、であります。
これらは、三条市を含む新潟県がパンデミック初期(感染経路の分からない陽性患者が増加傾向に入り始める時期)に設置が不可避と考えられる発熱外来(現在は設置段階にはありません)を設ける場合に必要不可欠となる必需品ばかりでありまして、医療スタッフの体制規模等を考えると、必要最小限の体制を構築した場合、これらの頂いた物資だけで半年以上は発熱外来を継続できるとのこと。
これだけを聞いてもどれだけ安心できることでしょうか!
(ちなみに、現在備蓄しているマスク130万枚強は、先月以来、医療機関、介護施設といった機関に必要な数を全て配布し続けている状況であり、この保有数があれば年内までは配布継続が可能と見込んでおり、それが原因でサービス停止といった事態には当面の間はならないものと受け止めております)。
ちなみに、写真では分かりづらいと思いますが、重慶市巴南区から送られてきた物資を梱包した段ボール箱には、“出入相友 守望相助”と添えられております。
これは、三条市の名誉市民でもあり、著名な漢学者である諸橋轍次博士も研究を深められた孟子の書からの一節だそうで、現在の中国では“いつでも互いに友人のように接し、共に見守り助け合おう”という意味に使われているようです。
そこで、私たちは、この孟子の書の一節に続く次の言葉を感謝の念を込め、掲げることとしました。
“疾病相扶持 則百姓親睦”
この意味するところは、“病気のときはお互い看護し助け合えば、皆親しみ睦まじくなるものです”というもの。
友好都市とはもちろん、平常時の交流のためにあるものですが、平常時における交流の積み重ねが非常時に至った今日のような状況で本当に活きてくるんだなぁ…とつくづく思い至る出来事でした。
巴南区の皆さん、本当にありがとうございましたっ!
ちなみに、今日のマスクは“金物のまち三条”バージョンです。