
先日も触れたとおり、これまで全国各地で数え切れない回数の防災に関する講演をさせていただきました。
その都度申し上げてきた事柄の1つに“私たちは災害に襲われた瞬間、クロネコヤマトの宅急便にもならなければならない”ということがあります。
これはどういうことを意味しているのでしょうか?
私たちは規模の大きい災害に見舞われれば見舞われるほど、全国から災害支援物資をいただくことになります。
その1つひとつには支援したい方々の温かい気持ちが込められており、それ自体には感謝の言葉以外申し上げる言葉も見つからないのですが、これを冷静に物資(モノ)と捉えた場合、この物資は多岐に亘るだけでなく、量もトラックごとに異なり、しかも何時にどれだけのトラックが到着するのか全く予測が付きません。
それだけでなく、その頂いた支援物資をストックヤードに素早く効率的に仕分け、今度は、避難所ごとに必要となる支援物資を定時定路線のルートを組み立てた上で配送していかなければなりません。
それを平常時には全く畑違いの行政サービスに従事する市役所職員が行わなければなりません(しかも、災害対応に追われている中で、なかなか割くことのできない稀少な人員によって…)。
これはまさに、“私たちは災害に襲われた瞬間、クロネコヤマトの宅急便にもならなければならない”状態を意味します。
とはいえ、全国各地の講演では偉そうに嘯く一方、私たちはその解決策、改善策を持ち合わせておりませんでした。
そんな折、助け舟を出してくれたのが、他でもなく、まさに比喩の対象であったヤマト運輸さんでありました。

私たちは、昨年から(ようやく…)ヤマト運輸さんのご指導を仰ぎながら、災害物資搬入搬出訓練を行うこととしました。
実際にやってみると、これを訓練なしで実行するのは不可能だと空を仰ぎたくなるくらい、特別なノウハウがギッシリで、とても素人仕事ではできないことがよく分かりました。
被災経験のある市町村も、幸いにもまだない市町村も、この災害物資搬入搬出訓練だけでは絶対に毎年やった方がいいです。
これをやるかやらないかで、実際に災害が発生したときの組織内パニックがどれだけ抑制されるかが実感できると思います。
防災担当の皆さま、是非ともご一考のほどをっ!

また改めて書き綴りたいと思いますが、今日から、“三条つなぐプロジェクト”が始動します。
ご支援のほど、宜しくお願い申し上げます!