2020年07月13日

7.13水害、7.29水害を忘れない。

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平成16年に発生した7.13水害から16年が経過し、平成23年に発生した7.29水害から9年が経過しようとしております。

これまでの間、信濃川、五十嵐川、刈谷田川の各河川の抜本的改修のほか、五十嵐川、刈谷田川には大規模な遊水地が、五十嵐川上流の笠堀ダムでは堰堤の嵩上げ工事が行われ、それぞれほぼ概成を見ております(この点については、ひとえに国土交通省さん、新潟県さんのご尽力によるものです。心から感謝申し上げます)。

しかし、現在九州を襲い続けている豪雨状況を見ていると、7.13水害時の総雨量500o、7.29水害時の総雨量1,000oをいとも簡単に上回る豪雨が続いており、水害対策とはハード整備に加え、やはりソフト対策が必要なのだと痛感せざるを得ません。

三条市では、7.29水害前から、堤防直下や山際以外にお住まいの方々には避難所への避難(水平避難)ではなく、垂直避難(自宅の二階などに避難すること)を呼び掛けるなど、独自のソフト対策を進めてきているだけでなく、市民1人ひとりの自助力は他地域と比較しても格段に高い地域であると実感しており、災害に対する備えは決して引けを取らないと思っておりますが、やはり慢心はなりません。

例えば、次世代への継承。

7.13水害のときに生まれた子供は既に16歳の高校生となり、その後の7.29水害を記憶していたとしても、中学生以下は水害未経験者であると考えなければなりません。

幸い三条市では、東京大学の片田特任教授を防災対策総合アドバイザーに仰ぎ、長年防災教育を地道に続け、今年は第四中学校における取組が国土交通大臣表彰を受ける(関連記事はこちら)など一定の評価を受けつつありますが、こうした次世代への継承についてはゴールがありません。

失われゆく記憶とどう向き合っていくのか…

私たちは記憶の忘却との戦いの真っ只中にいることを強く自覚し、地道に着実にソフト対策を進めていかなければなりません。

今日は、そんな誓いの日となりました。
posted by 国定勇人 at 14:15| 新潟 ☁| ブログ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする