本日を以って、市長を退任することとなりました。
平成18年11月12日の三条市長就任以来、凡そ14年間、三条市政にご理解とご協力を賜りましたことに対し、心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
「トップには、トップにしか分からない苦しみ、悩みがあるものだ」と組織のトップを務められている諸先輩から聞かされながら、若き日を過ごしてまいりましたが、実際、市長に就任してみると、その言葉が本当に心に響くようになり、正直なところ、何度も心が折れそうになりました。
そのようなとき、私を窮地から救ってくださったのは、道端で、買い物の途中で、イベント会場で、或いは車の中から、「市長さん、頑張って!」「市長、応援しているよ」と掛けて下さる皆さまの声でした。
その多くは私と何らの個人的お付き合いのない「市民と市長」という間柄でしかなかったわけですが、そうしたお一人おひとりに支えられて14年間の市長生活を続けることができたのは、つくづく自分は果報者だったのだと、今強く感じています。
もちろん、全ての皆さんに好意的に受け止めていただいていたなどとは微塵にも思っておりません。
私自身は1つひとつの政策について、できる限り多くの声を伺った上で、それこそ脳漿を絞り出す想いで考えを巡らし、そのとき考え得る、三条市の現在、そして三条市の将来を踏まえた最善の政策判断をしてきたつもりですが、その政策判断により全ての方々のお気持ちを満たすことは叶わず、複雑な思いをされた方々も少なからずいらっしゃったのではないかと推察しております。私が行ってきた政策の是非はまさに今を生きる市民の皆さまが、そして将来の市民が判断されることではありますが、私としてはその都度考えられる限りの最善の選択を取ってきたとはいえ、1つひとつの政策判断の中でそうした気持ちを抱かせてしまった皆さま方に申し訳ない思いでいっぱいであります。
一人の人間として、心よりお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした。
あくまで、その上でのことではありますが、市長就任以来、私自身が胸に秘めてきたことがあります。
それは、全ての方々のお気持ちを満たす政策は存在しない一方、「このまちに住んでいて良かった」「このまちが大好きだ」というまちとそうでないまちとの差は「良いところ51点、満足しきれていないところ49点」のまちと「良いところ49点、満足しきれていないところ51点」のまちの差にしか過ぎず、それであれば、我々地域社会が、我々地方自治が、地方行政が叡智を結集することで、この2ポイント差を逆転させることができるのではないか、力量の十分ではない私でも何とかできる範疇ではないかということ。
それこそ、この評価とて、今を生きる市民の皆さまが、そして将来の市民が判断されることではありますが、この評価結果を受けられるよう、全身全霊を傾け、私利私欲を一切捨て走り続けたことだけは正々堂々と言うことができます。
さて、終わりが近づいてまいりました。
明日からは1人の三条市民に戻りますが、私の一度限りの人生の全てを賭けてみようと決心させた、骨を埋めると心に決めた、この愛する三条市が引き続き明るい将来に導かれることを皆さまとともに希(こいねが)いながら、否、希うのみならずこの身を賭して切り拓いていくことを誓いながら、退任に当たっての皆さまへのご挨拶の結びと致します。
これからも、明るく楽しく元気よく、健康でお幸せに!
本当にありがとうございました。
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